FGHC シンポジウム

―Medical Humanities―

(財)グローバルヘルスケア財団は2010年に設立、グローバルヘルスケア分野の先駆的な取り組みをGHICとして具現化しております。国際コミュニケーションプログラムも実績を重ねて参りました。

この度グローバルヘルスケア分野におけるイノベーションとコミュニケーションさらには新たな研究開発を取り上げたシンポジウムを開催致します。

近代医学は、多くの疾病の克服・制圧、寿命の延長という私たちが追い求めてきた目標に向けて、輝かしい成果を達成しました。しかし、超高齢社会、すなわち多くの人々が「長く生きられる」ようになった時代、そして加齢の必然として複数の疾病や心身の機能低下と共に「長く生きなければならない」今日、これまでの医学は、その先にある未来の姿を十分に描けているでしょうか。科学としての医学も、その応用としての医療も、いずれも「人間の営み」であり、研究活動、個々の臨床の場、地域の医療システム、国としての基盤整備、いずれの次元でも、「人間として、人間らしく生きること」への問いかけは欠かせません。

医学・医療の先端化が加速する今、私たちは、人間として、社会として、生命の倫理や死生観、共同体の形を問い直し、考えを深めていくために「メディカルヒューマニティーズ」をテーマとする連続シンポジウムを企画致しました。

歴史的には一歩先を行く欧米に学びつつ、超高齢社会の先頭にいる日本だからこそ可能となる「先端科学とメディカルヒューマニティーズ」の統合の試みが、世界(グローバル)の医療(ヘルスケア)のイノベーションとして未来を描く手がかりとなることを願い、発信していくことを目指します。

一般財団法人 グローバルヘルスケア財団

評議員 林 依里子

京都大学大学院 医学研究科

社会健康医学系専攻健康情報学分野

教授 中山 健夫